昔、藤田まこと主演で「けったいな人々」というドラマがありました。子供だったので内容はあまり理解できませんでしたが、タイトルだけは印象に残っています。
新卒で勤めた会社の後、派遣社員としていろんな職場で働いてきました。数だけならかなりの社数になるかと思います。たくさんの職場で働いていると、びっくりするような人と出会います。就業先を離れて数年経っても、時折思い出す、忘れたくても忘れられない、けったいな人達とのエピソードを書いてみます。
まるで行商人
とある職場で、毎日食べ物を持ってきて配る人がいました。イオンやライフで売っている市販のお菓子や、ホームベーカリーで作ったパンや手作りの料理を振る舞うのです。1日に何回もおやつタイムを開くので、行商人みたいなカートで通勤してました。気前よくみんなに勧めるので、傍目には人気者に見えます。
おつとめ品で化けの皮が剥がれる
ある時「おつとめ品」の梨とパイナップルの皮を剥いて切ったものを、タッパーに入れて持参し、つまようじを添えて全員に回し始めました。初日は手を付ける人がそこそこいたし、私も頂きましたが、半分以上残りました。
その職場は冷蔵庫が自由に使えたので、残りは冷蔵庫に入れて、翌日、翌々日も回されましたが、空にはなりません。イライラし始めた彼女はランチ休憩にも持ち出して、周囲に勧め始めました。その時点で梨は角が黒ずんでいるし、パイナップルからは酸っぱい腐敗臭がし始めており、手を付ける人がいない理由は察してしかるべきです。
私も勧められましたが「お腹いっぱいだから、また明日ね」と断ると急に怒り出し、「絶対明日ね?」と圧をかけ、責任持って食べる事を強制されたのです。
明日と言ってしまったのは失敗でしたが、なぜ八つ当たりして押し付けてくるのか? 怒りが湧いてきました。しかし、空恐ろしさとめんどくささの方が勝ってしまい、「分かった」と会話を終えました。
買った時点でおつとめ品だったのだから、即食べ切って欲しかったのはわかります。ただ自分の思い通りにならないからと言って、当たり散らすのはどうなの?
そもそも、おつとめ品は人に振る舞うものではなく、買ってすぐ家で食べるものと思うのです。保冷剤などで注意して運んできても、常温・冷蔵と何回も出し入れしていたらどんどん傷みますから。いかにも気前のよい、よく気が付く親切な人を演出しておいて、化けの皮がはがれたな、と思いながら冷蔵庫に入れてその日は退勤したのです。
洗ったばかりのプラ容器から異臭がして驚愕
翌日、退勤時に忘れず冷蔵庫から出し、中身をゴミ箱に開けて捨てました。彼女は休みなので気兼ねなく捨てれました。そして、梨とパイナップルが入っていたタッパー二つを持って帰り自宅で洗いました。他の食器と一緒に洗って、キッチンペーパーで拭いていると、あれ? 変な臭いにすぐ気付きました。 梨やパイナップルの匂いではない変な臭いがします。じーっと見てみるとタッパーの4隅に、何かがこびりついているではありませんか。匂いの正体は堆積した洗い残しのカスでした。
果物事件の前までは、スーパーで揚げ物コーナーに置いてある使い捨てのこんな↓
容器だったので、わかりませんでしたが、どういう衛生感覚の人なのか、この時思い知り、驚愕したのを覚えています。おそらく果物は素手で処理されたものでしょう。こんな不潔なタッパーを使う人がゴム手袋付けて切るとは思えないからです。
こびりついた汚れを落とし、さらにキッチンハイターに漬けて、消毒してから返却する事も考えましたが、それは止めました。嫌味にもなるからです。
ただ、返す時に「ハイター消毒しようかとも思ったけど」とつぶやくのみにしました。
「そこまでしなくていいから」とかなんとか言ってましたが、異臭とこびりつきには気が付いたでしょうか?
この件以降も、勝手に買ってきたお土産を売りつけられたり、いろいろ酷い目に遭わされました。「〇〇してあげる」というのが口癖で、自慢話や自分語りばかりする人で、共通点も何もなかったので、職場を去る時は本当にホッとしたものです。
この件以後、他人の手作りの食べ物が一切ダメになりました。1回でも頂くと次々と続くのが常なので、1回目からきっぱりと断るようにしています。
断る時は、この行商人おばさんとの経験から、勇気を出して、キツめにはっきりと断ります。行商人おばさんは普通に断ってもまったく通じず、受け取るまでしつこく勧めてくるのです。例えば「今は要らない」と言う言い方だと、後なら食べると解釈して、100円ショップで買った文房具を入れるジッパー袋に詰めて渡してきます。何が何でも貰わせるのです。食品用ではない袋に、直にかっぱえびせんとかクッキーを素手で入れてきます。今思い出しても吐きそうになります。
ポテトチップスなどはよく回してましたが、最後の方はカスだけになり、手でつまめないし食べようがないのに、しつこく回すのです。袋を持ってザザザーっと口に流し込む事を望んでいるのかと思いますが、誰がそこまでしますか?
「あんたからは何ももらいたくない」こう言うしかないのですが、なかなかそこまで言える人はいないので、しつこくされて嫌々もらっている人が多かったのです。
ただ、手作りの食べ物は、結構捨てられていたと、後々になって知りました。
やっぱりね。こんな人がいるとは…勉強にはなりました。二度と会いたくありませんが。